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『憎しみ』フライヤー

憎しみ1996

LA HAINE

【監督/脚本】マチュー・カソヴィッツ 【製作】クリストフ・ロシニョン 【撮影】ジョルジュ・ディアーヌ 【編集】マチュー・カソヴィッツ/スコット・ステヴンソン 【キャスト】ヴァンサン・カッセル/ユベール・クンデサイード/サイード・タグマウイ/フランソワ・ルヴァンタール
フランスの"今"をリアルに描いた衝撃作!

『憎しみ』"バンリュー"を舞台にした極めて今日的な作品。"バンリュー"とは外国からの移民労働者や低所得者が暮らす地域で、おりからの不況の波はまずここに住む若者を直撃した。仕事にありつけない彼らの間にはモヤモヤした気分が蓄積し、いざこざも絶えず、人種的偏見も重なり、現在はすっかりゲットー化している。
こうした国内の深刻な問題に目をつぶり、核実験に膨大な国家予算を投じるような、フランスの体制に異議を唱えているだけでなく、全編に漂う、未来に希望をもてない漠とした不安は、"ムカツキ世代"の96年の日本の若者たちの間でも大きな共感を集める事だろう。

『ミ・ファミリア』フライヤー

ミ・ファミリア1996

MY FAMILY

【監督/脚本】グレゴリー・ナヴァ 【製作総指揮】フランシス・フォード・コッポラ/トム・ルディ/ガイ・イースト/リンゼー・ロー 【メイクアップ・デザイナー】ケン・ディアス 【キャスト】イーサイ・モラレス/ジミー・スミッツ/エドワード・ジェームズ・オルモス
いつの時代にも家族には夢がある

アメリカは夢の国。ロサンゼルスは天使の町。そんな神話に導かれてメキシコから単身やってきた青年ホセ。彼が60年かかって築き上げたサンチェス家の物語は、イースト・ロサンゼルスの物語であり、新たな国で力強く生きる移民の物語であり、そしてなにより、家族の素晴らしさと包容力を称えた感動的な物語である。

『メフィストの誘い』フライヤー

メフィストの誘い1996

LE COUVENT

【監督/脚本/台詞】マノエル・デ・オリヴェイラ 【原案】アグスティナ・ベッサ・ルイス 【製作】パウロ・ブランコ 【撮影】マリオ・バロッソ 【音楽】黛敏郎/ストラヴィンスキー/グバイドリーナ 【キャスト】カトリーヌ・ドヌーヴ/ジョン・マルコヴィッチ/レオノール・シルヴェイラ/ルイス・メゲル・シントラ
誰の心にも悪徳が棲んでいる。人間の深淵をのぞき見るオリヴェイラ版「ファウスト」の世界

物語の舞台は、大西洋を見おろす山上のさびれた僧院。セェイクスピアの血筋を研究するアメリカ人学者が、妻をともない、文献調査に訪れる。彼らをむかえ入れた管理人は一目で美しい夫人の虜となって言い寄り、博士には助手の若い女性を近づける。世間からほとんど切り離された孤島の僧院に流れはじめる微妙な空気のなかで、ひそかにくりひろげられる善と悪の人間の内なる闘い。寓意ゆたかに紡ぎ出された、神話的な世界。暗喩に富んだセリフと示唆にみちた静かな画面で、見る者の思考を引き出してやまない。
やがて天使も悪魔も消え、そこには生きていく人間が残る。人は悪なしには生きられない。善と悪、二つの相反する力の均衡がほどよくとれているのが普通の人間の、普通の生活にほかならない。ラストにちょっとほどこされた皮肉なユーモアに巨匠の稚気さえ感じられて、思わずニンマリ。

『エリザ』フライヤー

エリザ1995

Elisa

【製作監督】ヘンリ・プリチェッティ 【製作総指揮】エルヴェ・トリフォー/ティディエ・ペン 【脚本】ジャン・ベッケル/ファブリス・カラゾ 【撮影】エティエンヌ・ベッケル 【音楽】ズビグニエフ・プレイスネル/セルジュ・ゲンスプール/ミシェル・コロンビエ 【キャスト】クロティルド・クロー/セクー・サル/フロランス・トマサン/ヴェルナー・シュライヤー/ミシェル・ブーケ/フィリップ・レオタール
まだ見ぬ父へ抱く想いは愛、それとも殺意。

「エリザ」は、今は亡きフランスのスーパースター、セルジュ・ゲンスブールの大ヒット曲をそのまま映画に冠し、ゲンスブールその人に捧げられた作品である。そもそもヴァネッサとゲンスブールの関係は、90年の彼女のセカンド・アルバム「ヴァリアシオン」に溯る。12曲中カヴァー1曲を除く11曲をゲンスブールが作詞。フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキンなどフランス芸能界を彩る美女達に曲と詞と口説き文句を提供してきたゲンスブールの、アルバム単位で関わった最後の女がヴァネッサなのだった。
その「エリザ」が映画のテーマ曲として感動的に使われているが、エリザ役はヴァネッサではなく彼女の母親。ヴァネッサの役どころは、幼い頃に母を亡くし、孤児院に引き取られた少女マリー。不幸な境遇にあって、気の合う仲間たちと奔放に生きているが、一方では母を捨てた父を憎み、復讐を誓っていた。父を探す手掛かりは、昔、父から母に送られた一枚の絵ハガキ。そこには灯台の写真とともに、手書きの音符が書き込まれていた。そのメロディこそ、幼い頃、母がよく聞かせてくれた"エリザ"のものだった。やがて、マリーは親しい者たちと別れの儀式を終え、殺意を胸に父を探す旅に出る。

『上海ルージュ』フライヤー

上海ルージュ1996

Shanghai Triad

【監督】チャン・イーモウ 【脚本】ピー・フェイウー 【原作】リー・シャオ 【撮影】リュイ・ラー 【美術】ツァオ・チュウピン 【キャスト】コン・リー/リー・パオティエン/リー・シュエチェン/スン・チュン/ワン・シャオシャオ/フー・ピャオ
1930年――上海。 歌姫の愛が紅く燃え尽きる。

チャン・イーモウとコン・リー。今、最もパワフルで刺激的なカップルといえば、この二人をおいてはない。『紅いコーリャン』『菊<ちゅいとう>豆』『秋菊物語』などで、女性の様々な生き方を描いてきた二人が今回選んだのはギャングの情婦。
犯罪が溢れ、マフィアが暗躍する1930年代の上海。退廃し、荒み、血とアヘンと裏切りに染まった町。映画はこの町のギャング社会を背景にしながらも、あくまで一人の女性の運命と人間性をクローズ・アップしていく。スタイリッシュな映像と魅惑的な色調、才能溢れる映像構成で、カラフルに描きだされる上海の町。的確にとらえられたマフィアの権力抗争とそのライフスタイル。華麗な映像と内面的緊張を程よくミックスさせながら、映画は息つく間もなくショッキングなクライマックスへと観客を導いていく。

『サークル・オブ・フレンズ』フライヤー

サークル・オブ・フレンズ1996

CIRCLE OF FRIENDS

【監督】パット・オコナー 【脚本】アンドリュー・デイヴィーズ 【音楽】マイケル・ケイメン(主題歌/"You're the One") 【歌】モイア・ブレナン/セエイン・マガウアン 【原作】メイブ・ビンチー 【キャスト】クリス・オドネル/ミニー・ドライヴァー/アラン・カミング/サフロン・バローズ/ジェラルディン・オウラ
愛は時々奇跡をおこす

女の子にとって、彼と一緒の時が一番幸福なとき。誰にだってその幸福のときは訪れるのです。映画の中の3人の女の子たちにも、そんな素敵な出会いが巡ってきます。期待に胸いっぱいの彼女たちの興味は学業よりも恋人探し。パブでのおしゃべり、ラグビー観戦、そしてダンスパーティー。大人の仲間入りを楽しみながら・・・・・・。ちょっと目立たないベニーにも恋の奇跡が起こります。相手はスポーツ万能でハンサムなジャック。奥手の彼女にとって初めての恋。でも、人生そんなに甘くない?
父親の死、友達の裏切り、そして浮気の告白。幸せの絶頂期にこんな予期せぬ出来事が襲ってきたら、あなたはどうしますか?落ちこんでしまうのか、開き直ってしまうのか・・・・・・。そんなとき、一緒にいてくれる女友達って大切なものです。そして、悩み抜いたあと、何かが開かれることもあるのです。ベニーもまた、数々の試練を通り抜けて人目を気にする壁の花から自信あふれる大人の女性へと変身していくのでした。

『アンドレ 海から来た天使』フライヤー

アンドレ 海から来た天使1995

ANDRE

【監督】ジョージ・ミラー 【脚本】ダナ・パラッタ 【原作】ハリー・グッドリッジ/リュウ・ディーツ("ア・シール・コール・アンドレ") 【撮影】トーマス・バースティンC.S.C
アザラシのアンドレと、彼を救い、育てたグッドリッジ一家。本当にあった、愛の物語。
(Based on True Story)

これは1962年、アメリカ・メイン州の小さな漁村での物語。ある日、傷を負った一匹の赤ちゃんアザラシが巷に迷い込んで来た。それを救ったグッドリッジ一家、なかでも末娘トーニは彼にアンドレという名前をつけ一生懸命看護する。そしていつしか二人の間に深い友情が芽生えていった。元気になり、数々の芸を披露するようになったアンドレは一躍町の人気者に。そして噂は噂を呼び、新聞や雑誌、テレビにまで取り上げられ、アンドレとトーニはアメリカ中の注目を集めることになった。しかし、その一方で困った問題も起きた。漁師たちは、アザラシが漁の捕獲網を荒らしてると噂し、その怒りがアンドレに向けられていたのだ。また、トーニの姉ポーラは、父の愛情がアンドレとトーニに奪われたと思い込み、アンドレを嫌った。嵐の日、アンドレを海に帰してしまおうとボートで海にでたポーラは、荒波の中、父に助けられる。それを追ったトーニを救ったのは海に帰ったはずのアンドレだった・・・。
春− 。「一緒にいたいけど、アンドレは海に帰してあげた方がいい」それは小さな心でトーニが真剣に考えた結論だった。海に帰る日、アンドレはみんなに向かって見事なジャンプを見せ、南へ消えていった。しかし、次の夏がくるころ「アンドレを見た」という噂がどこからともなく聞こえてきた。アンドレはトーニの元に帰ってきたのだ。

『マイ・フレンド フォーエバー』フライヤー

マイ・フレンド フォーエバー1995

THE CURE

【監督】ピータン・ホルトン 【撮影監督】アンドリュー・ディンテンファス 【製作総指揮】トッド・ベーカー/ビル・ボーディン【脚本】ロバート・クーン 【音楽】ディブ・グルーシン 【プロデューサー】マーク・バーグ/エリック・アイズナー 【プロダクションデザイナー】アーミン・ガンツ 【キャスト】ジョゼフ・マゼロ/ブラッ・レンフロ/ブルース・デイビソン/アナペラ・シオラ
僕は急いで大人になろうとしていた・・・・・・君を救うために。

人生の最も多感な時に、AIDSと共に生きる少年デクスター(ジョゼフ・マゼロ)と出逢ったエリック(ブラッド・レンフロ)。いじめっこに絡まれた時、エリックは勇気を奮ってデクスターを守る。エリックはデクスターの母(アナベラ・シオラ)に可愛がられ、初めて家庭の暖かさを知る。そして、二人は冒険の旅にでる。小さなイカダに乗って、特効薬が発見されたと伝えられるニューオリンズを目指して−−所持品は薬と地図と寝袋、ポケットには僅か200ドル。
木漏れ日、水面をわたる風・・・、川下りは希望に満ちていた。しかし、ある夜「宇宙にいって、戻れない気がする」と、死の恐怖を語るデクスター。そんな彼に、エリックは自分のスニーカーを抱かせた。「こんな汚れたスニーカーを抱いてるんだ、宇宙にいるはずがない。僕が君のそばにいるのが判るだろう。」
旅を急ぐ二人は金を払って大きな船に乗り代えた。しかし、道草をくってばかりの船長に嫌気がさし、支払ったなけ無しの金を取り戻し船から逃げる二人。船長に追い詰められた時、デクスターは自らの手をナイフで切りつけて言った。「僕の血は毒だ。一滴でお前を殺せるんだぞ」一難去ったものの、その場に沈み込んでしまったデクスター。もう旅は続けられなかった。病魔が彼の体を蝕んでいた。永遠に続くかに思えた夏が、今、終わろうとしている・・・